ベン図とは
複数の集合を円や四角の枠で表し、枠とその重なりで共通点と違いを可視化する図法です。
「Aだけにあるもの」「Bだけにあるもの」「AとBどちらにも当てはまるもの」を空間的に整理できるため、物事の比較や分類に役立ちます。
ThinkTrayでは、カードを収めやすい四角いグループ枠を使います。一般的な円形のベン図とは見た目が異なりますが、カードの所属と枠の重なりによって集合の関係を表す考え方は同じです。
どんな場面に向いているか
- 2つ・3つの物事を比べて、共通点と違いをはっきりさせたいとき
- 複数の条件をすべて満たす部分(重なり)に注目したいとき
- バラバラに書き出したカードの中から、複数のテーマにまたがる大事な項目を見つけたいとき
ThinkTrayでの作り方
ThinkTrayでベン図を作るときは、円をきれいに描くことよりも、カードを「グループ」にまとめ、同じカードを複数のグループに所属させることが本質です。1枚のカードは複数のグループに同時に所属できるため、そのカードを含む枠同士が重なり、「両方に当てはまること」を表せます。
上のデモにある「ベン図」フォルダには、2つの段階の図を用意しています。「1-ベン図」は思いついたことをカードに書き出した段階、「2-ベン図」はカードを分類して2つのグループを重ねた段階です。順番に開くと、カードからベン図へ整理していく流れを確認できます。
ステップ1:まずカードを書き出す
最初から「Aだけ」「Bだけ」「両方」と決めず、テーマから思いつくことをカードに書き出します。関係がありそうなカードを近くに置く程度でかまいません。この段階では、まだグループを作る必要はありません。
デモでは、「考えるとき、伝えるときに、大切なことは?」という問いから、「論理的に考える」「文章」「他者に確認してもらう」などをカードにしています。「1-ベン図」がこの段階です。
ステップ2:カードを見ながら分類を見つける
書き出したカードを見返し、どのようなまとまりがあるかを考えます。最初に決めた分類へ無理に当てはめるのではなく、並んだカードから共通する視点を見つけるのがポイントです。
デモでは、カードを見返すことで「考えを深める」と「考えを伝える」という2つのまとまりが見えてきました。どちらか一方に関わるカードは左右へ、両方に関わるカードはその間へ移動します。
ステップ3:「考えを深める」グループを作る
「考えを深める」に関わるカードをまとめて選択します。このとき、「論理的な順序に整理する」「自分で理解した言葉で」など、両方に関わるカードも一緒に選びます。
選択したカードを右クリックし、「グループ ▶」→「グループ作成」を実行すると、1つ目のグループができます。
ステップ4:「考えを伝える」グループを作る
続けて「考えを伝える」に関わるカードと、両方に関わる同じカードを選択し、もう一度「グループ作成」を実行します。
両方に関わるカードは、すでに「考えを深める」グループへ入っていますが、既存の所属を保ったまま「考えを伝える」グループにも所属します。特別な重なり用カードを作る必要はありません。
ステップ5:重なりを確認して分類を見直す
両方のグループに属するカードを囲むように、それぞれの外枠が重なります。この重なった場所が、「考えを深める」と「考えを伝える」の両方に関わることを表す領域です。「2-ベン図」で完成した状態を確認できます。
図を眺めながら、「このカードも両方に関わるのではないか」「このカードは片方だけではないか」と考え、カードの位置やグループへの所属を見直します。最初の分類を正解とせず、重なりを作ってから考え直すこともベン図を使う目的のひとつです。
ステップ6:枠の色と名前を整える
グループを選択し、コンテキストツールバーで枠線の色を変えます。BG色を設定する場合は透明度を設定する重なりが見やすくなります。
グループの空白部分(カードに重ならない場所)をダブルクリックすると、キャプションを入力できます。デモでは、それぞれ「考えを深める」「考えを伝える」と名前を付けています。
3つ以上の集合を重ねたい場合も、関係するカードを選んでグループを作る操作を繰り返します。実例は「クロス3C分析で自社の強みを見つける」を参照してください。
コツ
- 最初は所属を決めずに書き出す — カードを出す段階で分類を完成させようとせず、まず考えていることを外に出します。分類はカードを見ながら考えます。
- 分類と書き出しを行き来する — まとまりが見えてから新しいカードを思いつくこともあります。カードの追加、移動、グループへの所属変更を繰り返しましょう。
- 枠を先に作る方法もある — 比較する対象が「顧客と自社」のように最初から決まっている場合は、先にグループを作り、その枠へカードを入れてもかまいません。
- 共通カードを両方のグループ作成時に選ぶ — 同じカードをそれぞれの選択に含めるだけで、2つのグループに所属させられます。
- 共通カードは2つのまとまりの間に置く — グループの枠はメンバーを囲むように広がるため、共通カードを間に置くと枠が自然に重なります。
- 塗りより輪郭線がおすすめ — 枠を塗りつぶすと、重なった部分は前面のグループの色で隠れてしまいます。枠線の色だけを変えると、重なりが読みやすくなります。
- 重ねる集合は3つ程度まで — 4つ以上になると重なりが複雑になり、かえって読みにくくなります。
ベン図は、イギリスの論理学者ジョン・ベン(John Venn)が1880年に発表した図法です。Wikipedia