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3C分析とクロス3C分析 — 顧客・自分・競合から伸ばす力を見つける

3C分析とクロス3C分析とは

顧客(Customer)・自社(Company)・競合(Competitor)の3つの視点から、事業や活動を取り巻く状況を整理するフレームワークです。

企業だけでなく、個人の仕事や能力を考えるときにも応用できます。その場合は、Companyを「自分」、Competitorを「同じ仕事をする他の人」と読み替えます。競合は対立する相手だけでなく、比較対象や協力相手になることもあります。

通常の3C分析では、3つの視点に分けて事実や特徴を書き出し、矢印で相互関係を確認します。そこから一歩進めて、2つ・3つの視点を重ねながら解釈や方針を考えるのが、この記事で扱うクロス3C分析です。

どんな場面に向いているか

  • 顧客が求めることと、自分が提供できることを整理したいとき
  • 自分の強みと不足している能力を、他者との比較から確認したいとき
  • 新しい商品・サービスや、今後の学習方針を考えたいとき
  • 競争する部分と、他者と協力できる部分を見つけたいとき

サンプル図について

上のデモにある「3C分析」フォルダには、2つの図を用意しています。

  • 「3C分析」 — 顧客・自分・他の開発者の情報を3つの枠に分け、相互関係を矢印で示した図
  • 「クロス3C分析」 — 同じ情報を残したまま3つの枠を重ね、比較から得た解釈と今後の方針を加えた図

サンプルの問いは、**「個人IT開発者が、市場で求められる技術力を磨くには?」**です。説明のために状況を仮定した例なので、実際に分析するときは、顧客へのヒアリング、過去の依頼、自分の実績、他の開発者が公開している情報などに置き換えてください。

ThinkTrayで3C分析を作る

ステップ1:問いと3つの視点を決める

最初に、何を判断するための分析なのかを問いとして書きます。問いが広すぎると情報を集める範囲も曖昧になるため、対象や目的を具体的にします。

サンプルでは、3つの視点を次のように読み替えています。

3Cの視点サンプルでの意味
Customer顧客・依頼者
Company自社・自分
Competitor競合・他の開発者

ステップ2:視点ごとに情報を書き出す

3つのグループを重ねずに配置し、それぞれの視点から分かっていることを書き出します。この段階では結論を急がず、まず情報を分けて眺められる状態にします。

顧客・依頼者には、「要望を正確に理解してほしい」「短期間で形にしてほしい」「安定して動作してほしい」「リリース後も継続的に改善してほしい」など、相手が求めていることを書きます。

自分には、「サーバー側の開発が得意」「小規模な試作品を早く作れる」「一人で設計から公開まで進められる」といった強みだけでなく、「画面設計はあまり得意ではない」「大規模な運用経験が少ない」「学習時間が限られている」といった制約も書きます。

他の開発者には、「特定分野の専門性が高い」「画面設計まで対応できる」「チームで大規模案件に対応できる」「実績を分かりやすく公開している」など、比較するときに参考になる特徴を書きます。

ステップ3:3者の関係を矢印で結ぶ

3つのグループを双方向の矢印で結び、何を比較する関係なのかをラベルにします。

関係確認すること
顧客 ↔ 自分ニーズと提供価値
顧客 ↔ 他の開発者選択・比較
自分 ↔ 他の開発者競争・差別化・協力

矢印は作業の順番を表すものではありません。3つの情報を別々に集めるだけで終わらせず、互いの関係を考えるための問いとして使います。「3C分析」の図がこの段階です。

3C分析をクロス3C分析へ発展させる

クロス3C分析では、通常の3C分析で集めた情報を比較し、そこから得られた解釈を新しいカードにします。「ベン図で共通点と違いを整理する」と同じように、1枚のカードを複数のグループへ所属させて重なりを作ります。

単独の領域には調べた事実や自分の特徴を置き、重なりにはそれらを比較して分かったことを置く、と役割を分けるのがポイントです。

ステップ4:2者の関係から分かったことを書く

3つの枠を重ね、2者を比較して得た解釈を、それぞれの重なりへ置きます。

顧客 × 自分 — 提供できる価値

顧客が求めていることに対して、自分の強みをどのように生かせるかを考えます。サンプルでは、次のように整理しています。

  • 小規模な試作品を短期間で形にできる
  • 設計から公開まで1つの窓口で対応できる
  • 安定したサーバー環境を中心に提案できる

顧客 × 他の開発者 — 自分に不足している点

顧客が求めており、他の開発者が提供できていることを確認します。ここから、自分が補うべき能力や、協力相手へ任せたほうがよい領域が見えてきます。

  • 画面設計まで含めて対応できる
  • 実績を公開して安心感を与えられる
  • チームで継続的な運用・サポートを提供できる

自分 × 他の開発者 — 比較される点と協力できる点

自分と他の開発者に共通する能力、差別化しにくいこと、協力できる可能性を考えます。

  • 短納期への対応だけでは差別化しにくい
  • 開発技術を継続して学ぶ必要がある
  • 専門性を分かりやすく示す必要がある
  • 案件によっては協力・互恵関係を作れる

それぞれのカードを、関係する2つのグループに所属させます。カードを2つの枠の間へ置くと、グループの外形がそのカードを囲むように重なります。

ステップ5:3つの視点から今後の方針を考える

中心には、3つの視点を合わせて考えた結果を置きます。サンプルでは、分析から得られた今後の方針を次のようにまとめています。

  • 得意なサーバー側開発と試作の速さを維持する
  • 画面設計と運用技術を習得し、磨いていく
  • 必要に応じて、協力関係を築ける他社を探す

このカードは3つすべてのグループに所属させます。ここでの中心は、3者に共通する事実というより、顧客・自分・他の開発者を合わせて考えた結果として導いた方針です。「クロス3C分析」の図がこの段階です。

コツ

  • 事実と解釈を分ける — 単独の領域には調べた情報、重なりには比較して得た解釈を置くと、考えた根拠をたどれます。
  • 強みだけでなく制約も書く — 苦手なことや時間・経験の制約も含めることで、学ぶことと他者へ任せることを分けられます。
  • 競合を敵だけだと考えない — 比較によって学べる相手であり、案件によっては協力相手にもなります。
  • 中心の結論を無理に作らない — 方針が見えないときは、顧客の情報や比較材料が不足していないかを見直します。
  • 定期的に書き換える — 顧客ニーズ、自分の能力、他の開発者の状況は変わります。変化に合わせてカードと方針を更新しましょう。

3C分析は、経営コンサルタントの大前研一が提唱したとされるフレームワークです。Wikipedia