連関図法とは
原因と結果が一方向のツリー状には整理できないほど複雑に絡み合っている問題を、カード同士を自由に矢印でつないだネットワークとして整理する手法です。品質管理の現場で使われてきた「新QC七つ道具」の1つに数えられています。
ロジックツリーや特性要因図は「上から下へ」「原因から結果へ」の一方向の分解が前提ですが、連関図法では次のようなことが起こります。
- 原因同士が互いに影響し合う(AがBを悪化させ、BがさらにAを悪化させる)
- 矢印が行ったり来たりして、輪のような**悪循環(ループ)**が見つかることがある
きれいな階層図にならない問題ほど、連関図法の出番です。
どんな場面に向いているか
- 原因を書き出してみたら、ツリーのようにきれいに分解できず、原因同士が影響し合っていると感じたとき
- 「なんとなく状況が悪くなり続けている」ような、悪循環になっている問題を可視化したいとき
- 対策を打つ前に、どこから手をつければ全体への影響が大きいかを見極めたいとき
ThinkTrayでの作り方
ステップ1:中心に取り組みたい課題をカードで書く
カードツール(Rキー)で、中心に据えたい課題を1枚のカードに書きます。
- 例:「新人スタッフの立ち上がりに時間がかかる」
ステップ2:関係しそうな要因をカードで周囲に書き出す
思いつく要因を、良し悪しを判断せずにカードとしてどんどん周囲に置いていきます。
- この段階では位置関係を気にしなくてOKです。あとから動かせます
ステップ3:矢印で「原因→結果」の関係をつなぐ
ラインツール(Lキー)で、影響を与えている側から影響を受けている側へ矢印を引きます。
- ツリーと違い、1枚のカードから複数の矢印が出たり、複数の矢印が1枚のカードに入ったりして構いません
- 「AだからB」と言える組み合わせだけを、思いつく限りつないでいきます
ステップ4:矢印が戻ってくる場所(悪循環)を探す
すべてつなぎ終えたら、矢印をたどって元の場所に戻ってくるループがないか確認します。
- ループが見つかったら、そこが悪循環を生んでいる部分です。ラインの色を変えるなどして目立たせましょう
- 上のデモでは、赤い破線の矢印で悪循環のループを強調しています
ステップ5:矢印が多く出ているカードに注目する(応用)
矢印を出している数(他への影響力)が多いカードほど、根本的な原因である可能性が高いです。
- そうしたカードを枠線の太さや色で強調すると、対策の優先順位を検討しやすくなります
ロジックツリー・特性要因図との違い
| 図法 | 構造 | 向いているケース |
|---|---|---|
| ロジックツリー | 上から下への階層 | 原因がきれいに分解できる場合 |
| 特性要因図 | 背骨+カテゴリ別の骨 | 決まったカテゴリで網羅的に洗い出したい場合 |
| 連関図法 | 自由なネットワーク(ループ可) | 原因同士が影響し合い、一方向には整理できない場合 |
最初はロジックツリーや特性要因図で洗い出してみて、「どうも一方向のツリーにならない」と感じたときに連関図法へ切り替えるとスムーズです。
コツ
- すべての組み合わせをつなごうとしない — 「AだからB」と自信を持って言える関係だけをつなぎます。無理につなぐと図が読みにくくなります。
- 矢印の向きを迷ったカードは保留にする — 双方向に影響しているように感じる場合は、一旦2本の矢印を引いてみて、あとで見直します。
- ループを見つけたら1か所を断ち切る対策を考える — 悪循環は、どこか1点を変えるだけで連鎖が止まることがあります。
- 定期的に配置を整理する — 矢印が交差して読みにくくなったら、カードの位置を動かして見やすく整え直しましょう。
連関図法は、複数の関連手法とあわせて「新QC七つ道具」としてまとめられていますが、体系化の経緯は文献によって記述が異なるため、本記事では特定の考案者・団体名の記載は控えています。